博士後期課程の学生は、実験をしているとき以外は大体デスクで文章を作成しています。
実験結果のまとめ、学会発表で使用する発表スライド、論文執筆、研究費の申請書、特許明細書、共同先へのメールなどなど、枚挙にいとまがありません。文字を入力するのがもっと楽しくなるためには、どうしたらよいか・・・ということで、今回研究室のデスクに新しいキーボードを導入することにしました。
予算は2万円です。
本記事は、理想のキーボードにありつくまでの経緯を長々と書き連ねたものなので、導入したキーボードと、その使用感だけ知りたい方は次の記事をお読みください!(記事URL: https://f8otheller.com/368/)
これまで使用していたキーボード
これまで使用してきたパソコンは、以前ガレリアのデスクトップパソコンを購入した際に、購入金額に2200円ほど上乗せして入手した付属キーボード「GALLERIA Gaming Keybord」でした。
キーに指を載せると「ぶにゅんぶにゅん」することで有名なメンブレン方式のキーボードです。(一般的なオフィス用キーボードや安価なキーボードに多く採用されている方式)
押下圧は50gで、キーストロークが4mmとしっかり確保してあるものでした。
私はこれまで、デスクトップパソコンを使用する際はメンブレン方式のキーボードだけを使ってきたので、使用するうえで特段不便を感じたことはほとんどありませんでした(なぜなら、他の味を知らないから!笑)。ただ一点だけ不満点がありまして、それはキーの隙間にゴミがたまりやすく、さらにたまったごみを非常にとりづらいということ。なぜなら、キーボードの裏にあるねじをすべてドライバーで取り去っても、カバーを取り去ることができないので、(もしかしたら、私の技術不足でできなかっただけかもしれません)エアダスターなどをキーの隙間に吹きかけても、カバーが邪魔をしてなかなかゴミが出てきてくれません。力技でキーキャップを外して掃除をしたこともありましたが、大変取り外しにくく、さらに装着にも時間がかかる代物でした。(一般的に、メンブレン式キーボードは、キーキャップの取り外しを想定していない作りになっているようです)
キーボードの種類について簡単に解説
キーボードは、構造によって大きく四種類に分類することができます。
構造の簡単な説明は以下の通りです。
1:メンブレン方式
・メンブレン層に導電性のあるパッドがついており、キーを押すことでこれらが接触し回路が閉じることで入力される。
・構造が単純で製造コストが低いため、一般的なオフィス用キーボードや安価なキーボードに多く使われている。
2:パンタグラフ方式
・X字型のリンク構造を利用したキーボード
・ノートパソコンなどの薄型キーボードによく採用されており、コンパクトな設計が可能。
3:メカニカル方式
・個々のスイッチがキーごとに配置されており、打鍵に応じて物理的なスイッチが作動する。
・耐久性が高く、タイピングの応答性や打鍵間に優れる。ゲーミングキーボードや高性能なタイピングキーボードで好まれる。
4:静電容量無接点方式
・キーを押すと、スイッチ内部の静電容量の変化を感知して入力がされる。
・キーストロークを感知するための電気的な接触がないため、摩耗が少なく、非常に高い耐久性を持っている。
・打鍵が非常になめらか。
さて、何方式のキーボードを選ぼうか・・・
この中で一般的に、高級キーボードに属するものは、3のメカニカル方式と、4の静電容量無接点方式です。静電容量無接点方式キーボードはとにかく長持ちし、さらに「スコスコ」といった独特な打ち心地から、多くの人をキーボード沼に引きずりこんでいます。セブンイレブンのATMにあるテンキーは、この静電容量無接点方式キーボードを使用していることで有名です。ですがこのキーボード、とにかくお値段が高い!大体3万円以上します。つまり、私の予算を超えてしまっています。
ただ、今回は初めから、静電容量無接点方式のキーボードは選ばないことを決めていました。
以前外部の実験施設を使用した際、そこのPCにかの有名なREALFORCEの静電容量無接点方式キーボードが使われており、一度だけ使用したことがあったのです。その時、あまり感動というものを感じず、「ああ、こんなもんか」と思った経験がありました。語弊を恐れずに言えば、「普通を極めているキーボード」「誰が使っても問題なく使える万人向けのキーボード」「メンブレン方式の高級版」といった感じでした。(こんなことを書くと、静電容量無接点方式好きの方や、REALFORCE好きの方から顰蹙を買うかもしれませんね。)ただ、これはあくまで私の感想です。人それぞれ感じ方は違うかと思います。
その時、気づいたのです。私はしっかり押したという感覚があるキーボードが好きなんだと。人によって好き嫌いが分かれる、個性的で、トリッキーなキーボードが好きなんだと。そして、キーボードそのものの寿命よりも、打鍵感に重きを置いているということを。
となると、残された択は一つです。そう、メカニカルキーボード。メカニカルキーボードは、キースイッチの種類によって打鍵感、音、押下圧やキーストロークなどが変わります。また、同じスイッチを使用していても、キーボードの内部構造や、筐体の材質によっても音が変わるため、本当に奥が深いです。
私を魅了する魅力的なキーボードに出逢った!
せっかく高いお金を出して購入するのですから、とにかくいろんなサイトやYouTube動画を見てメカニカルキーボードを調べました。その中で、超ほしい!というキーボードに巡り合うことができました。
それは、Keychron社が出しているメカニカルキーボードです。
実はKeychronのキーボードは、動画を観漁っている初期の段階で遭遇しており、その時点で私の目を奪っていました。気が付いたら、ずっとKeychron関連の動画やサイトばかり眺めていたからです笑
なぜKeychronのキーボードが魅力的だったのかというと、圧倒的に見た目が私好みだったからです。会社のロゴや、絵柄などの主張がなく、私の好きな黒を基調としたデザイン。落ち着いていながらも、アクセントとしてescキーなどはオレンジや赤のキートップを採用しているところ。筐体が重厚感があってかっこいいところ。ありとあらゆる点が、私の好みにドンピシャでした。
悩んで悩んで、最終的に落ち着いたのが、Keychron K8 pro 赤軸でした。お値段ざっと18480円!
KOPEK JAPANという、keychronの、国内正規販売代理店から購入を行いました。
赤軸を選択したのは、他の軸(茶軸・青軸)と比較して押下圧が最も小さいため、指が疲れにくいと考えたからです。また、一般的に他の軸よりも打鍵した時の音が控えめなので、周りに人がいる研究室でも比較的音で迷惑をかけずに済むと考えたからです。バックライトに関しては、ギラギラ光らせることは考えていなかったので、RGBライト搭載モデルではなく、White LED搭載モデルを選択しました。
・・・・でも、バックライトに関しては、購入後にRGBライト搭載モデルにしておけばよかったと思いました。というのも、RGBライトを選択すると、フレームがアルミフレームになるからです!一方のWhite LED搭載モデルは、フレームがプラスチックになってしまいます。ウェブサイトにもしっかり記載があったのにも関わらず、しっかり読めていなかった・・・。アルミフレームを使用したモデル、見た目の重厚感・高級感が増して、さらにかっこいいんですよね。
なぜテンキーレスのモデル(K8)を選んだのか
今回私は、100%キーボード(フルキーボード)から、テンキーだけをバッサリ落とした、テンキーレス(TKL)のモデル(80%キーボード)を選択しました。以下①~④の理由から、私は今回このレイアウトのモデルを選びました。
①普段まったくテンキーを使用しない
②del,home,pageup,pagedownなどの特殊キーは、ExcelやWordで使用することがある。また、打ち間違いを防ぐために、これらの特殊キーはエンターキーから多少離れた位置に配置したい。(ただこれだけは言わせてくれ!insertキー、貴方は本当に要らない!笑)
③矢印キーは、エクセルなどで隣接したセルを選択するときや、図表作成ソフトを使用するときに頻繁に使用するので省略したくない
④ファンクションキーは、PowerPointやその他のソフトのショートカットキーに設定されていることもあるので、省略はしたくない。
次回の記事では、職場に導入したKeychron K8 pro 赤軸を使用した感想について、書いていきたいと思います!
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