直属の上司からの度重なるパワハラと、若手先輩社員への不信感により、適用障害の初期症状が出てきたところまで前回の記事でご紹介しました。
今回の記事では、異常な会社の体質、他の同期が体験したパワハラについて書いていきます。
異常な会社の体質その①つつぬけのストレスチェック
会社では、数か月に一回くらいの頻度で、「ストレスチェック」という名のアンケートが実施されていました。職場内のストレスを多様な観点から計測するために実施されている検査で、百問程度の質問に五段階評価で回答すると、自動で診断結果がフローチャート形式で作成されます。
この診断結果をもとに、社員が自らの生活方法を見直し、QOLの改善に役立ててね、というもののようでした。こういったアンケートに基づく診断結果は、個人情報の塊なので、産業医のみに開示され適切に管理されるものだと当然私は思っていました。私はパワハラの現状を伝えるためにも、アンケートに正直に答えました。
Q.あなたの上司はあなたの指導を適切に行っていますか→A.そうは思わない
Q.最近気分の落ち込みが起こることがあるか→A.頻繁に起こっている
といった具合にです。正直に回答することで、産業医が動いてK課長の日ごろのパワハラに何かしらの働きかけが起これば・・・とささやかに願っていました。しかし後日、とんでもないことを先輩社員から聞かされることになります。(第3話での飲み会で聞きました。)

あのアンケート、正直に答えられるわけないよな。おかげで俺のフローチャートは綺麗な図形になったよ。

え、どういうことですか??正直に答えたらいけないんですか??

あれ、回答内容や診断結果が、上司に全部筒抜けなんだよ。だから、あのストレスチェックをまじめに答えている人なんて、多分一人もいないよ。
絶句してしまいました。「あなたの上司はあなたの指導を適切に行っているか」→「そうは思わない」という回答結果を、そのままK課長が閲覧できる状態になっていた可能性があるからです。
上司のあたりが日に日に強くなっていくように感じたのは、このことも原因だったのではと感じました。
ストレスチェックの回答結果を守秘せず、そのまま上司に開示する会社が普通に大企業として存在していることが本当に驚きです。
異常な会社の体質その②選挙の投票先の半強制 労働組合のカンパの半強制
選挙の時期が近づくと特定の候補者に優先的に投票するように、という業務連絡がメールで回ってきました。しかも、実際に投票したという証明書を投票所でもらい、会社に提出するように指示されました。私自身は、選挙は必ず参加していますが、選挙の参加と投票先の半強制を会社が行うというのは、あまり快く感じませんでした。
また、労働組合からカンパを募られたのですが、半強制的に金額を徴収されました。カンパ徴収係の社員がメールで、「いついつまでにいくらを私のところまで持ってきてください」という連絡を、管理職以外の社員に一斉送信していました。任意だということは記載がなかったように思います。仮に記載があったとしても、管理職以外の全社員が提出していたので、断れる雰囲気ではありませんでした。
こういった事柄に、何の疑問も抱かない方もおられるでしょう。ですが、私は個人的にこのような会社からの半強制行為に、思考停止で従うことが嫌で嫌で仕方がありませんでした。
同期の部署の凄まじいパワハラと、凄まじいブラック体質
私の配属された地区には、毎年パワハラ耐性が最も強いとされる新入社員が配属されることで有名な部署がありました。そこの部署は、凄まじいパワハラとブラック体質で有名で、ここ三年間で三人の若手社員が退職していました。
私の同期でそこの部署に配属されたのが、柔道部出身でガタイがよく、賢いM君でした。M君から聞いたパワハラの体験談は、私が受けたパワハラが可愛く思えるほどひどいものでした。それなのに、M君は私のことを心配してくれ、一度サシでご飯を食べ、相談に乗ってくれたこともある優しい人でした。
以下にまとめていることは、私がM君から実際に聞いた話です。一切脚色してません。
M君が受けたパワハラ一覧と、部署のブラック体質エピソード
①部署配属の初日の挨拶の際、工場長からいきなり胸倉をつかまれ「おいお前、今から死ぬ気で働くか、会社辞めるかどっちか選べ」といわれる。
②会社は表向きノー残業を歌っているため、パソコンのログイン履歴で長時間労働していることがログとして残ると、上司に強く叱責される。そのため、ほとんどの社員がパソコンを寮に持ち帰り、VPN接続を解除してログが残らないようにし、残業をしている。
③M君の先輩の残業時間がひどい時だと月に200時間だった。
④工場長が怒鳴る際は、人格否定は当たり前(親の顔が見てみたい、など)。さらに、デスクの角を思いっきり蹴りながら、「〇んでしまえ」などと言ってくる。さらに、一切名前で呼ばず、お前やおいしか言われない。
⑤(M君がM君の先輩から聞いた話)仕事がなかなか終わらないため、ほかの社員に黙ってこっそり朝四時に出社したら、自分以外のほとんどの社員がすでにオフィスにいたことがある。
ほかにもあります。私の同期の経理に配属された女の子は、一年目ということで、簿記の勉強をさせられていました。その際に、先輩社員から、「あなたは一年目で、会社に何の利益も生み出してないんだからね。その自覚をもって勉強してください。」といわれたといいます。
この会社は、全体的にどの部署でもパワハラ体質なんだなということがわかりました。この会社に居続けては精神が崩壊してしまう・・・と本気で思いました。
第五話に続きます。第五話では、退職を決意した後の私の行動について書いていきたいと思います。
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