これはかなりリスキーなハメ手であるが、相手が引っかかるとかなり優勢になることができる進行だ。知名度もそこまで高くないので、かなり強い部類に入ると思う。
あなたは黒持ちである。狸進行で白が最善でついてき来たとき(F5F6E6F4G4E7F7G5E3D3H5H6、図1)に、h7!と打つ(図2)。ここで十中八九、白はg6を埋めてくるだろう。そこで、f3を打つ(図3)。その次の白の対応がかなり難しいので、ハメ進行に選んだ。あなたはこの盤面から三手、最善で打てるだろうか。私は初見で対戦相手に打たれたとき、わからなかった。
このハメ定石を知らない大半の白は、C5かD6で対応してくるだろう。しかしこれは悪手。黒は一気に優勢になる。正しい流れは、H4→H3→C5!(図4)この進行以外、白はすべて不正解で、一気に不利になってしまう。初見で分かった方はかなり読みの力がある。
しかしながら、この定石は白に正しく対応された場合、-8もの形勢を背負ってしまうことになるので、ハメ手進行の中でもリスキーな部類に入る。使用するときは、対戦相手をしっかり吟味したい。
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