初心者のうちにぜひ身に着けてほしい手筋として、「置き打ち」がある。置き打ちは習得が簡単な割に、棋力向上の費用対効果が大きい。また、相手がオセロのセオリーを知らない人なら、序盤で詰ますのにも有効な手段だ。では、見ていこう。
①置き打ちとは
②置き打ちをするとどんなメリットがあるのか
③応用編 置き打ちできる状況を意図的に作り出す(中級者向け)
置き打ちとは
置き打ちとは、着手個所の直上の中辺の石を返さずに辺に着手する手法だ。(厳密な定義は専門書を参照してほしい)例を見ていこう。
図1を見てほしい。すべてあなたは黒番である。これらの局面において、
(a)はH3、
(b)はA6、
(c)はA5が置き打ちとなる。
それぞれ、直上の中辺の石(H3の場合はG3、A6の場合はB6、A5の場合はB5)が返っていないことがお分かりいただけると思う。
置き打ちをするとどんなメリットがあるのか
置き打ちを行うと、以下の二つのメリットがある。
1自分の着手可能個所を減らさず、相手の着手可能個所を減らすことができる
相手の石を極力返さずに、辺に着手するため、自分の着手可能個所をほとんど減らさずに済む。また、置き打ちをした直後、相手は置き打ちを行った辺以外の場所で一手消費するので、実質的に相手の着手個所を減らすことができる。
2置き打ちした隣の個所が余裕手になりやすい
上の例でいうと、置き打ちを行った後に、(a)の場合はH2が(b)の場合はA7が、余裕手になる。((C)の場合は余裕手はできない。だが、白にA6と当てられたときにA7とすんなりとれる形になっている。※なぜすんなりC打ちしてもよいのかというと(これは中級者以上の内容になってしまうが、)、黒A7の後に白B4と来ても、黒A4と置き打ちでき、そのあとA3も打てるから。)
応用編 置き打ちできる状況を強制的に作り出す(中級者~上級者向け)
初心者~上級者のうちは、置き打ちできるときは積極的に置き打ちを行っていこう。ほぼ確実に盤面を有利に進めることができる。(有段者以上になると、あえて相手に置き打ちさせる、という手筋も出てくるため、要注意だ。詳しくは今後の記事でまとめていく。)
応用編として、置き打ちできる状況を強制的に作り出す手筋を紹介する。図2を見てほしい。あなたは白番だ。
置き打ちできる状況を強制的に作り出す手筋として、図2の局面でA4と打つ。すると、相手はA8の隅を守るために、ほぼ確実にA2と打つだろう。この時に、3列が真っ黒になり、白はA3の置き打ちができるようになる。A3の置き打ちが決まれば、黒はCまたはXにしか打てなくなり、(B7、G7、G8、H7)白の大優勢が続く。
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